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2008-05-30空とは何か - 色即是空と般若心経

[]空とは何か - 色即是空般若心経


※ 例によって、これは私個人の勝手な解釈の紹介であり、一般的な解釈とは何の関係もないという点にご留意下さい。


般若心経と空

色即是空 空即是色」


これは、般若心経の中の有名な一節です。般若心経とは、仏教経典の一つです。詳しくはこちらのページを御参照下さい。

般若心経の内容を要約すると、

「すべての物事の本質が『空(くう)』であることを理解すると、あらゆる苦悩が無くなって完全な平安が得られます。だから皆さん『空』を理解しましょう。」

と、なっています。

ではこの『空』とは何でしょうか?


色とは何か

では先ほどの一節です。


色即是空 空即是色」

色すなわちこれ空なり 空すなわちこれ色なり


色は空で、空は色です。ということですね。さて、ここでいう『色』とは何かといいますと、一般的な物事全てです。石ころもそうですし、人間もそうですし、暑いという感覚もそうですし、資本主義という概念もそうですし、「私は今生きている」という思考もそうです。全部が『色』です。『色』とは色づけのことであり、色づけとは意味づけのことです。つまり、意識勝手意味づけている(色づけている)事柄を、『色』と表現している訳です。勝手意味づけているとは、例えば石ころについて説明しますと、あなたが「石」だと考えたそのある事柄は、絶対的な原理で「石」であるわけではありません。それを原子の集合と見てもいいですし、素粒子の波と見てもいいですし、道路の一部と見てもいいですし、地球細胞と見ても構いません。しかし実のところそれは、あなたが「石」という名前で表現されるある特定の見方で意味づけるまでは、何物でもなかったのです。そして、それが「何か」であるという風に考えてそれを見た瞬間に、その見られたものはあなたの意識によって特定の意味づけ(色づけ、名づけ)がなされたものになります。このようにあなたが認識する全ては何であれ、あなたによって特定の意味づけがなされているために、それらは『色』と呼ばれることになります。


空とは虚空であり、虚空は無限である

色即是空

とは、全ての物事の本質は『空』である、ということになります。『空』というのが空っぽで何も無い、という意味であるなら、この世の全ては無であり、何も存在しないということになります。しかしそういったことはありません。『空』とは何も無いことではないのです。

『空』とは虚空を意味します。虚空とは、一見何も無いように見えながら、実際は全ての事柄、無限の事柄を内包している状態を指します。全てを内包していながら何も無いように見えるのはなぜかといいますと、全てを全てのまま何の色づけもなしに眺めているためです。無色の光というものが、何の色もついていないように見えながら、その実あらゆる色相のスペクトルを内包しているのに似ています。無色の光からはどんな色でも取り出せますが、全ての光を含んだ光全体を見ると無色に見えますね。

そうしますと、

色即是空 空即是色」

という一節は、

「すべての物事の本質は虚空であって、虚空を特定の見方で眺めることによってあらゆる物事を見ることができる」

という意味であることが分かります。


空を見る

これまでの説明から、皆様は空すなわち虚空というものについて漠然としたイメージを持たれたかもしれません。しかし、そのイメージはまた意味づけであり、色であるのです。そして、ある特定の色と、別の特定の色が似ているかどうかについて、比較して考えるという色を眺めることになります。しかし虚空はイメージでもなく、思考でもなく、概念でもありません。もしかすると皆様の中には、虚空というものもまた物事の特定の見方に過ぎず、色の一つに過ぎないだろうとお考えになる方がいらっしゃるかもしれません。しかしそうではありません。もちろん「虚空」という言葉は色ですが、その言葉で表現しようとしているものは、色ではないのです。もちろん、虚空もまた見方の一つに過ぎないということは可能でしょう。しかし、その見方だけは、他の見方と決定的に異なっているのです。端的に言えば、見方には空と色の2種類しかないのです。そして、空でないならば、どれも色でしかありません。言い換えれば、空とはただひとつの、色づけられていない見方なのです。

さて、ではその唯一の見方であるところの、思考でも概念でもない空という見方をするにはどのようにすればよいのか、ということになります。実際の所これについての方法論は無数にあり、宗教なり集団なり個人なり、各人各様好みの方法を探して用いればよいのではないかと思います。例えば般若心経では、真言(マントラ)を唱えつつ瞑想することが推奨されています。いずれの方法にせよ、自我を含め色が色であることを理解することを通して色でないものを理解するということになるのではないでしょうか。

例えば覚醒の炎などではとても明瞭簡潔な説明がなされていますし、A Course in Miracles(これの解説書としては神の使者など)では少し異なる形のアプローチながら、段階的な学習が期待できます。


完全な平安をお望みの方は、よろしければお試し下さい。

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